滝井椎野

エルヴィスの滝井椎野のレビュー・感想・評価

エルヴィス(2022年製作の映画)
4.1
キング・オブ・ロックンロールの名に相応しいホテルでのライブが素晴らしかった。
オースティン・バトラーがとにかく凄い。メイクの力も勿論あるのだろうが、それにしてもエルヴィス・プレスリーに似ている。『ボヘミアン・ラプソディ』や『ロケットマン』等この手の映画が最近多いが、どれも役者の凄さというのを思い知らされる。それに加え、今回はトム・ハンクスの見事な悪役っぷりが素晴らしかった。見事なまでに全てのヘイトが彼に向くような演技で、おかげでエルヴィスの抱える苦悩や孤独をこれでもかと感じることができた。
以前、BSの番組でエルヴィスの番組をみたときにも思ったのだが、彼の歴史は=アメリカ文化の歴史であり、その影響の大きさにはただただ圧倒されてしまう。それだけに、あまりにも早すぎる最後が残念でならない。
最後のパフォーマンスだというラストの歌唱ではその魂とエネルギーを感じさせられ、感動した。

エルヴィスが協会で神の啓示を受けるシーンでブルース・ブラザースを思い出したのだが、果たして関係があるのか偶然なのか……。どちらにしても面白いと思った。
滝井椎野

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