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エルヴィスのyukiのレビュー・感想・評価

エルヴィス(2022年製作の映画)
4.3
脚を失い飛び続けるしかない鳥と、翼を捥がれて飛べない鳥がいたなら、どちらが残酷だろう。

“WB”の、まるでジュエリーのゴージャスなロゴ‼️バズ・ラーマン監督らしい絢爛豪華なオープニングにもう高揚感、爆発💥
色白で華奢な少年エルヴィスに、音楽の神が“降臨”し、スター街道を駆け上がるところまで大興奮😍⚡️傑作を予感‼️
エルヴィスの卓抜な音楽的センスと表現力が素人で初見の私でも分かる魅力。それはもう世界も熱狂するしかないでしょ‼️
衣装も代名詞のジャンプスーツは勿論、豪奢だからステージで映えに映える‼️
スクリーンで万華鏡が展開する如く、目眩く映像に昇天寸前😵⚡️

一旦、落ち着こうか。

冒頭、トム・ハンクスに少し似た恰幅のよい男性の“走馬灯”からスタートした違和感と、イヤな予感…
エルヴィスを観に行ったのに、マネージャが強欲で執拗に支配と搾取の限りを尽くすので後半グッタリ😔💦

オースティン・バトラー熱演‼️歌も巧い‼️
それでも“カリスマ性”とは演じられないことをしみじみ痛感させられた。
圧倒的なパフォーマンスで駆け抜けたナンバーで、個人的なクライマックスは“IF I CAN DREAM”

エルヴィスご本人のパフォーマンスはこちら👇
https://m.youtube.com/watch?v=mdnL761oLFE

光、射すところ影も差す。
マネージャは、エルヴィスを殺したのは彼のファンへの愛だと言う。
欺瞞だ。
その愛を利用したのは、マネージャ本人ではないか。
剛腕マネージャに音楽を愛し、エルヴィスを愛する気持ちがひとかけらでもあればー
(ニック医師を急き立てあの男をステージに立たせろ、のシーンに軽く殺意に近い憎悪が湧いたのは私だけでしょうか)
でも、あの亡者の手腕がエルヴィスを有名にし、歌声を届けてくれたと思うと…

非力な父親の虚しい誓いも役には立たない。
行き場のない暗澹たる煩悶が胸に溜まる。
私は何を観に来たのだろう。

先程までの興奮が急速に熱を失う終盤、漸くラストを迎える。
ピアノの前に、立ち上がれないほど蝕まれた肉体がある。
でもその身体からは魂が奏でる歌声がする。心を掴んで離さない。
エルヴィスだ!
彼だけに与えられたギフトが、時を超えて、呆気ないほど簡単に、スクリーンの彼方から降り注ぐ。
歌声が翼だったのか。
エルヴィスが生きたのは音楽の神に愛され、愛した世界。
身体は繋がれていても歌は自由に届いてほしい、そんな願いが羽ばたく“Unchained Melody”

https://m.youtube.com/watch?v=AG9ph9xkOrw

God speed your love to me ✨✨✨✨✨
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