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エルヴィスのmsのネタバレレビュー・内容・結末

エルヴィス(2022年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

ゴージャスでド派手で孤独なエルヴィスの煌びやかで悲しい物語だった。スターダムに押し上げられ求められるがままにショーをこなし、あれよあれよという間に豪華なホテルの最上階に閉じ込められていくエルヴィス。表裏一体の栄光と孤独。

少し前に観たホアキン・フェニックスの『ウォーク・ザ・ライン』ていうジョニー・キャッシュの伝記映画を少し思い出した。
こういうショービズ界のスーパースターの伝記映画って、観るたびに複雑な気持ちになってしまう。わたしも日々エンタメを享受している側の人間で、人ひとりに向けるには重すぎる期待とラブコールで彼らを文字通り「消費」しているんだなと思うと、なんだか居た堪れない。

ストーリーテラーであるトム・ハンクスの狸親父ぶり、というか、もはや悪魔的な存在感が前に出過ぎでうざったい場面もあったけど、バズ・ラーマンらしいキャンピーで外連味溢れる演出で相殺されて最終的にはあまり気にならなかった。大佐も根っからの悪人には見えない感じもする。

ステージでのパフォーマンスシーンはオースティン・バトラーの素晴らしい熱演によってどれもこれも最高にかっこいい!なんて目つきがセクシーなんだ。リアルタイムを知らない私でも当時の女の子たちを熱狂させたエルヴィスの魅力がスクリーンを飛び出す勢いで感じられた。
うぶな少年期から晩年の40代までを演じ切ったバトラー、めちゃくちゃよかったな。
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