確か中2か中3あたりだったと思う。
朝の教室が男子中心にざわついていた。
「昨日、エルビス見たか?」
お調子ものの友達が長ほうきをスタンドマイク代わりに振り回していた。😆
僕もその会話に参加して盛り上がっていたので、見てたんだね。
そう、この映画の後半に出てくるラスベガスでのショーの国際放送だったんだね。
初めて見るエルヴィスは、とにかくとにかくカッコよかった!
しかし、何でこうもビッグスターの晩年は寂しいんだろう。
寂しいと言う以上に、人間崩壊していくのは痛ましい。
ホイットニーといい、フレディといい、
あんなに才能に溢れ、それを開花させ、
全世界に認められ、巨万の富も得たのに、
財産も残せず、家庭的にも、そして、自らの心身もボロボラにさせられる。
何とも悲しい結末。
42歳の死はあまりにも早すぎるけど、
あれだけ駆け抜けていったのだから、
もう晩年の老いの状態だったんだね。
こーゆー大スター伝記は、まだ無名な時代に売れたり、代表曲が誕生したりする場面が見どころで、それぞれの映画でそれぞれの名場面があるが、
ここでのエルビス誕生のシーンは、それらに負けないハイテンションで最大限に上がる⤴️超秀逸の名場面だ!
ラジオが流れてきたエルヴィスの歌を聴きて、実際にステージを見に来た後にマネージャーとなるパーカー大佐。
ステージ裏からエルヴィスだけを凝視する大佐。
緊張ぎみにステージに立ち、歌い始めるエルヴィス。
そこにゴスペルとブルースに出逢い覚醒されていく少年時代のエルヴィスが挟み込まれる。
最初は無名の新人シンガーを揶揄する観客たち。
大佐、エルヴィス、観客席、少年時代、
カットが短くテンポよく繋がれ、
いよいよ、エルヴィスが歌い出す!踊り出す!
一気に映画は上がっていく!
絶叫する観客が増え、ステージはさらにヒートアップ!
見つけたぞー!宝石を!と確信する大佐!
他の伝記映画と違って、エルヴィスの生い立ちや家庭の事情はアメコミ風に挿入されているのも上手い!
もう、この序盤だけでオッケー!大満足!
でも、上がる⤴️ものは落ちていくもの。
エルヴィスが単に1流行シンガーではなく、時代を背負って、動かし、新たに創っていった存在だということが分かりました!
でも、彼自身は常に観客が喜ぶような、自分が歌いたい音楽をやりたかっただけなんだね。
トム・ハンクスが演じる大佐のウエイトが大きいのでは、という指摘もあったようですが、僕はそれはあまり感じなかったし、大佐だけが悪者には思えなかった。
エルヴィス演じたオースティン・バトラーは、素晴らしかったです!
ラスト近くの座ったままの熱唱のシーンは落涙ものでした。オスカー惜しかったなあ
160分近くのちょっと長い作品ですが、エルヴィスを知らない人たちでも楽しめる名作だと思いました。