有無を言わせずイーサン・ホークの演技力の勝利!と言った作品だった。
80分に満たない短い尺のせいもあってか?おそらく冷静に観ると設定が甘かったり有り得なかったり...
なんだろうけど本質はそこに無いような気がする。
薬物所持による20年の刑期を終えたラッセル(イーサン・ホーク)。ネットの使い方すら解らず社会復帰に苦労する中、仕事場の裏のゴミ捨て場で赤ちゃんを発見する...
先ず長い間社会から遮断されすっかり浦島太郎状態のイーサンの演技が素晴らしい。
そして不器用ながらも赤んぼうに精一杯の愛情を注ぐ心優しい姿が微笑ましい。
守るべき者への愛、自分の存在意義を少なからずも感じられた時 人は強くなれるし希望を見いだせる。
どのシーンを取っても もはや“イーサン・ホークの哀愁”だけで十分観ていられるレベル。
加えて可愛らし過ぎる赤ちゃんなんて、もう反則!反則!
そしてどんな状況になろうが命がある限り我が子に無償の愛を注ぎ続けたラッセルの両親にグッとくる。その愛情の深さに同じ親としては共感せずには居られなかった。
過去は決して変えられないけれど、受けた愛情が記憶や感覚として体に流れ続けるならば間違いなくリスタート出来る。
ラッセルは勿論、赤ちゃんも。
そんな希望を感じる感動作だった。