MadeGood様より「ミッドナイト・ファミリー」https://www.madegood.com/midnight-family/ の配信前の試写に参加させてもらいました。公開時に気になりつつ、見逃してしまった作品だったので、非常に興味深く鑑賞しました。営利目的で救急車を運営している家族のドキュメンタリーです。
メキシコシティでは人口900万に対して45台しか救急車がないという現実。圧倒的に数が足りない中、不認可で緊急患者を搬送するオチョア家を追ったドキュメンタリーは、まるでフィクション映画の様に見えてくる。同業者と競り合い取った仕事でも、患者がお金がなく支払えないとなると、ただ働きになってしまう。搬送前に確認できたらいいけれど、緊急性のある人を前には中々思うようにはいかない。それでもオチョア家は誠実に対応しているように思う。素人とはいえ、かなり重篤なケースにも迷いなく動けるのは、それだけの経験があるからだろう。裏を返せば、不認可の救急車がなければ、病院に搬送されない人が溢れるって事。警察は腐敗していて、彼等から賄賂を強請る。まるでドラマのようで、メキシコの闇を見せつけられる。
今年、コロナで日本でも医療崩壊という言葉がメディアを席巻したけど、メキシコと比べたら感染者も死亡者数もずっと少ないので、彼等はどうなったのか気になる。公的でなく保証もなく、日銭で生活せざるを得ない彼等が今も無事でいてくれたらと思う。
81分という長さと、変にドラマチックな展開にもしていないので見応えがあります。
他国の現状を知り、自国との違いを知るいい機会になると思います。
