公営の救急車がめっちゃ少ないメキシコシティで、「私営救急隊」をビジネスに、怪我人を求めて夜を爆走する家族を描いたドキュメンタリー。まず題材面白すぎ。そして撮影カッコよすぎ。カットバックとか普通に頻発するし、画が異様なまでにキマりすぎてるから劇映画だと思って観ちゃう人とかいるんだろうなぁ。寡黙な父と、お喋りだけどしっかり者のお兄ちゃん、隙さえあればポテチ食ってる太っちょの弟。キャラクターも最高だった。腹減ったけど金ないからお父さんが息子にカツアゲするシーン、たまらなく好き。けどちゃんと残酷だし、皮肉。せっかく怪我人を病院に送り届けても、みんなが貧乏だから金を払わない、払えない人がたくさん出てきた。慌てて病院に駆けつけた親が、子どもの心配よりもまず先に料金にブチ切れる。そんな社会、丸ごと病院送りにしたいところだよね。
