電気羊

世宗大王 星を追う者たちの電気羊のレビュー・感想・評価

世宗大王 星を追う者たち(2019年製作の映画)
4.6
これは胸熱な朝鮮の歴史物語。

明の支配下に置かれた朝鮮の世宗王は内心それを吉とはしていなかった。
当時の朝鮮では漢字は上流階級の者でしか扱うことが出来ず、身分の低い者たちは読み書きが出来ず口頭でしか情報を伝える手段がなかった。

王は朝鮮人が独立自尊の志を持つためには文化の礎となる漢字とは違う分かりやすい文字の存在の必要があると独自にハングル文字を考案する。

そんなある日、朝鮮王はとある切っ掛けで身分は低いが天体物理学を独学で習得した召使ヨンシルと出会う。

王は、ヨンシルの朴訥な性格と天才的な才能を認め官吏へと取り立てる。
だが大臣っちは世襲制が本道であると王の決定に異議を唱えるが、王の味方であった重心の計らいにより官吏へ徴用されることに。

ヨンシルは身分と権力を得て、水時計や天体観測儀を完成させ、時や月齢を正確に知り農業を大幅に発展させる。
王はその功績を認め、ヨンシルを友のように思い、自ら温めていたハングル文字発明の秘密を打ち明ける。

だが、明からの支配による賄賂や自分たちの権力に固執する大臣たちは、民から独立しようとする王とヨンシルに反感を抱き、王を失脚させ召使を謀反の犯罪人にしようと画策する。

王は大臣たちの悪だくみにより、明との関係が悪化する時期が早まるのを止めるため、ヨンシルと進めてきた天文学やハングル文字を開発を一旦取りやめ息子に王位をゆずり退位しようとする。
王が退位しようとした日、王の乗る神輿が事故で破壊される。

これは大臣一派の仕業でヨンシルを王を狙った謀反人に仕立てるためのものであった。
ヨンシルは明へと連行されそうになるが、王の腹心である大臣によりこれは反王派の大臣たちの罠であることを知らされる。

退位しようとした王だったが、残った大臣たちがこのままでは朝鮮が明の思い通りにしかならないと、再び城へと戻る。

王を狙った謀反人の裁判で、王の腹心のヨンシルに瑕疵はあったかも知れないが、これまでの発明の功績により赦免してはどうかと進言する。
王はその進言を採用しようとした時、ヨンシルはこのままでは王が謀反人を許した前例を作り苦境に立たされることを案じ、自ら処刑を受けることを甘受する。

その結果は、朝鮮の歴史書によるとヨンシルは80発の打擲を受けたまでは記載されているが、生死については不明となっている。
その後、1446年に正式にハングル文字が公布され、身分の低い者たちも読み書きができるようになり文化発展に貢献することになるのであった。

韓国政府の外交のやり方はいただけないが、KPOPやオルチャンメイク、韓国グルメとか韓国文化は大好きなので、世宗王様に感謝したい。
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