のんchan

衝動 世界で唯一のダンサオーラののんchanのレビュー・感想・評価

5.0
今日は何かパッションを感じられる作品が観たいと思った❣️
それで選んだこのドキュメンタリーは期待以上で、贈り物💝を貰ったようだった💫


🔥💃🔥💃🔥💃🔥💃🔥

冒頭、目に入って来たのは、スケートボードのプロテクターを両膝、両肘に付け、《私は猫です》という日本語がプリントされている招き猫模様のTシャツを着て練習をしているロシオ・モリーナというフラメンコ界の若きスター💃(当時32歳)
申し訳ないけど、恵まれた容姿とは言えない体格(小柄でちょっとムチムチしている)の彼女は、それはそれは想像を絶する動きをする。
驚異的な身体能力、天才的なリズム感と感性を持ち、異次元のステージを作る為に、身体の内側から紡ぎ出すパワーにカメラが密着する。

実は私、過去に12年間フラメンコ💃を踊っていた。その間、4度スペイン🇪🇸セビージャに渡り師匠のレッスンを受けている。少しは知識を持ち合わせていると自負がある。
フラメンコから離れて時が重なったので、現代のフラメンコスターを知らないでいたけど、今まで見たことのないオリジナリティの溢れているダンサーだ‼️

あまりにもリズム感が天才的なので、ギター伴奏者が頭を悩ます。
「一生掛かっても出来ない、解らない」とそのギタリストが落ち込む。
「6の裏よ!」
何度もトライするが...難しそう😣
そうすると冗談で
「舌を切ってやる!舌と指をね!」
と笑って言いのけるのがチャーミングなロシオ😆

天性のものだから
『考えるより先に身体が反応する』と言う。


どんな世界にも伝統があり、また新しい風が吹く。

レジェンドのフラメンコ歌手 祖父のようなフェルナンド・デ・ラ・モレーナがしみじみと語る。
「正直に言うと個人的には昔の方が好き。それこそがフラメンコのルーツだから。そこには崇高な瞬間があった。心を引き裂くような瞬間。だが同時に言えるのは、どんな分野でも改革は免れない。フラメンコも同じ。存続のために。」
レジェンドも認める才能は溢れかえる。

そしてロシオの母親は言う。
「小さい頃から、ダンサーの体型ではなく、小柄で少し太め。
彼女が踊ると涙が出る。出来、不出来では泣かないけど、辛くて涙が出る。心が張り裂ける。あの子が捧げるものを見ると怖くなる。究極を求めて、限界を超え、自分を捨て、怪物になる瞬間。心配で怖い。」
母親にしたら、神経を擦り減らし身を削って紡ぎ出すモノが、なにか神懸かり的に思えるのだろう。


フランス🇫🇷パリでの公演、スペイン🇪🇸の各地での公演を追うが、圧巻は、セビージャのビエナル公演でロシオの為に駆けつけて舞台に上がった、ロシオにとってもフラメンコの女王、あの大スター"ラ・チャナ"
高齢だし身体も自由が利かない(手を携えないと歩けない)のに、椅子に座ってコンパス(靴音を鳴らす)と手振り🤌だけで会場を圧倒の渦に巻き込む。
そこに即興で《タンゴ》を2人で踊る💃場面はもう涙もの😭

フラメンコとコンテンポラリーダンスとアートを融合させているステージは心が震えました🔥

ロシオが言う
『自分を失う必要がある。
自分を見つけるため。』

超〜カッコイイ✨🌟✨
のんchan

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