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バビロンのRAMRIDERのレビュー・感想・評価

バビロン(2021年製作の映画)
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映画の天才試写会にて

デイミアン・チャゼル監督「バビロン」。サイレント映画からトーキーへ移行する1920年代のハリウッドを舞台に大物スター、新人女優、駆け出しの映画プロデューサーの運命を辿る。とにかく冒頭のパーティの狂乱ぶりが異常!(正直やりすぎ)

映画のフォーマットに革命が起きることで運命が変わる様子が配信が台頭した今の時代に重なる。主人公は3人だけど6人いるメインキャストそれぞれの人生に思いを馳せると時代の変化が感じ取れて良いです。人生の予習みたいな映画でした。アカデミー賞会員が好きそう。

試写会で観た映画は未採点にしてるのですが面白かったです。

他のユーザーの感想・評価

チャゼル版ワンスウポンアタイムインハリウッドって感じかな ただ百倍ぐらい下品だけど笑
もう始まって5分ぐらいでゾウのけつの穴からウンコがドバァーッって出るという所をアップで撮る品の無さ いい意味でララランドを作った人間の作品とは思えない
退廃的パーティー感とデカダンスは凄いフェリーニの映画っぽいなと思った。
ラストの異常な映画肯定は嫌いではないが編集に暴力性が足りないと思った。
次のシーンに変われば、180°違った場所に連れて行かれるのは『インヒアレント・ヴァイス』か『アンダー・ザ・シルバー・レイク』か。(ロス/美女に誘われてを取ればより後者か)。

主人公が主人公ではない(観客の視点の代替となる)のもギャツビー的と言って仕舞えばそれだが、うーん。それは物語的に成功しているのだろうか…

許せなかったのは、マーゴットとブラピのバカ大盛り演技に合わせた結果、私の大好きな素晴らしい女優であるキャサリンウォーターストーンも馬鹿みたいにド下手みたいな役者に見えて、それは本当に悔しくて泣いた。

あと最後らへんのキスシーンでフィルミングされた映像は、コマが少ないものとして流れたけど、無声映画のコマ数は、ただモノクロ映画とさせただけで、コマ数少なくなかった?なんか色々雑じゃな〜い?…

メンデスにスピルバーグがそれぞれ映画館/半生にスポットを当て、ハリウッドor映画讃歌をこのタイミングで作り出したのも、コロナと配信勃興時代の現在なんら疑問はないが、チャゼルが本作で捧げた「映画」はあまりにも莫大過ぎ、そこまで風呂敷を拡げられるとシンプルに、「あなたに言われても、、、、?」の一言に尽きる。

思えばチャゼル自身のフィルモグラフィーは面白いもので、うるさい(セッション)、うるさい(ララランド)映画を作り大ヒットを収めた彼は、静かな映画を作り出す(ファーストマン)が大失敗。そして満を持して生み出された本作は、有り体に言ってバカくそアホみたいに五月蝿い。そこから、学んだのは「映画はうるさくなくてはいけないのだ!」なのかチャゼル???????

(ファーストマンの苦しかったところは、ほぼ同時期に発表されたクレールドゥニやジェームズグレイ作品が人間が「個」となったときの、本能的な面を興味深く描き出したのに対し、ファーストマンは原作がそうさせたのかもしれないけど、”国に捧げる犠牲”に重きを置かれたのは、古臭くあまり共感を呼ぶものでもなかった。(それを懲りずにやってるのが「アバター」だと思うけど、それは同時に国粋主義の爆増が顕著となる現在、アバターが受け入れられる事実は、本当に笑っていられない。)
ゴズリング演じる主役の妻、クレア・フォイに焦点を当て、当時のただただ夫を待つ妻を描き出したらば「ジャンヌ・ディエルマン」的でめちゃくちゃ面白かったと思う。)

「ドントウォーリーダーリン」は、みんなが馬鹿貶すほどに悪くなかった、という気持ちだったけど、本作は馬鹿貶しても足りないくらいな気持ちになっている。running timeが長いから悪いところが次から次へと…はぁ。カメラも全然良くなかった。狂乱も左右に振るばかりな印象だった。
RVP

RVPの感想・評価

3.6

このレビューはネタバレを含みます

"ハリウッド全盛期についてはMGMよりもパラマウント"派としては最初のロゴのみでもう爆上がりだし、言いたい事も非常に理解できる、が、、、流石に最後が甘ったるい。というか明らかに媚び過ぎていて興醒め。というかここで観客と主人公の感じることに余りにも乖離がありすぎるのでは、、??



スタンバーグ的(『間諜X27』や『西班牙狂想曲』)な、"物量投下型"のパーティーシーンからのかなり恥ずかしい『モロッコ』オマージュで、ディートリッヒとアンナ・メイ・ウォンが合体させられている事を確信。
だとしたら時代設定2〜3年ズレてないか?というツッコミはさておき、その二人を混ぜてしまったらトーキー移行期にアジア系俳優らが抱えていた、役回りとしての不利さの問題は確実に矮小化されるよな??と、アジア人としてかなりガッカリな部分もあり。
うおーーーーチャゼルやったなあああーーーー!!!!!!!!!観終わった後その場ですぐ叫んで踊り狂いたかったけど我慢して外でやった!!!!!!!!絶対夢に出てくると思った、ちゃんと出てきた
アメリカで観た
期待しすぎた感はあったけどマーゴットロビーは最高だった
chloholic

chloholicの感想・評価

3.6
酒池肉林と栄枯盛衰がこれでもか!と詰まった作品
drug, alcohol何でもござれな時代を経て現代の美しい映画に繋がってるのか…と考えると何となく感慨深い

所々にララランドのオマージュがあってニヤリとしました
ナオ

ナオの感想・評価

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いやめちゃくちゃ刺さった...!
月労働400時間で吐くほどやばかったのに、なぜか楽しい思い出しか残ってない新卒時代を思い出した。

こんなにハリウッド讃歌なのに、年配の監督が作りそうな映画ノスタルジーは感じず、代わりに若さと新しいものを作ろうとする覚悟をバシバシ感じた。泣くよこんなの。撮影は辛いけど、それ以上に楽しくてアドレナリン出まくることも知ってるからもうダメでした。マスクの下でずっと笑顔だったと思う。

ただ、これは褒めてるつもりなんですが、"タランティーノがチャゼルに頼まれて撮った映画"みたいに感じるところは結構あった。理由はわかってます!

キャストはもちろんみーんな良いんですが、初めて見た主演の彼がものすごく良かった。
Keishi

Keishiの感想・評価

4.5
下馬評そんな良くないから半信半疑で観たけどクソおもろかった。一瞬え〜ってなるとこはあったけど。ワンハリもどきの様で、でもデミイアン・チャゼル監督てのはしっかり伝わってくる。てか始まるまで18禁って知らんかった(笑)

このレビューはネタバレを含みます

ずっとおもしろすぎてずーっとニコニコしてた3時間あったけどもうもっとずっと観てたかったアメリカだいすき最高住ませてくれ
ネリーが楽しそうに踊ってるシーンはどこも魅力的
ブラピはなんであんなに目が綺麗なんだろう
数年越しにやっと確認し合えた愛の後すぐにいなくなるネリーが愛おしすぎる
大学初日の撮影シーン楽しかったなあ
いやもう全部楽しかった、登場人物みんなに釘付けでした
楽しすぎて最後泣いちゃった、楽しすぎて最後泣いちゃう人生にしたい
ぐぅーーいい気分になりました
natsumi

natsumiの感想・評価

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1920年代後半、ハリウッドでサイレント映画がトーキーに移り変わる時代を生きぬく映画界の人達の物語。思った以上にコメディ色が強くめっちゃ笑えた楽しい映画だったのが、最後には涙が出た。(演出はあまり好きではないけれど。) 始終振り回されるも健気なディエゴ・カルバ可愛すぎ、トビー・マグワイア気持ち悪すぎ。登場人物たちが多いから仕方がないかもしれないけれど、ジョヴァン・アデポとリ・ジャン・リが演じる登場人物たちの取ってつけたような薄い描写が悲しい。ハリウッドという華やかな舞台も実は白人男性たちによる資本主義で、無理にでも適合するか、退場するかなどどっちにしろ人を壊していくの辛い。全体的には退廃を描いているので悲観的ではあるものの、人間の創作力に改めて希望を持てるラストに勇気づけられた。
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