このレビューはネタバレを含みます
Dチャゼルによる、「映画」への愛と憎しみの映画。
3時間9分の上映時間はさすがに長いとおもうが、終始テンションが高く、独特なリズムのある作品なので苦にはならず最後まで楽しめました。
ストーリー展開はオーソドックスな、何なら山田洋次作品みたいなんだけど、冒頭からゾウの○○大噴射で始まるように汚らしく淫らで下品な描写の数々は「歴史(時代)」や「名作(名誉)」と云う情報だけでは表わせない生身の姿、剥身の愛憎を表現しているように感じられました。
そしてクソまみれのバトンは渡された、と。
ラストの現在へと繋がる映画コラージュは感動的で、どうせなら『ラ・ラ・ランド』のオープニングにまで繋げちゃえばいいのに。
コラージュには『NOPE』でも取り上げられた「黒人の乗馬」もしっかり押さえており、両作の関係性も興味深いです。
そしてこの映画は、狂気ではないとおもうよ。