雨に唄えばmeetsタランティーノのワンハリ風味??アイズワイドシャットなスパイスも効かせて…。
映画製作への愛を撮りたかったのは何となく伝わったけど、ストーリーも演出もとっちらかりすぎていて雑だし(足すばかり引き算こそセンス)、主人公は映画以外のアホみたいな事案で映画産業から遠ざかったので、終盤いかにも感傷的に劇場で涙する主人公をアップで観させられても、ニューシネマパラダイスや雨に唄えばを通過している映画ファンにとっては「映画って本当に素晴らしいですね涙」とはならず薄っぺらい以上の感情は生まれませんでした。
蛇との対決シーン、何だあれは。ブラピのあの切なそうな表情はどんな感情なのか。タランティーノっぽく撮りたかったのなら、冗長になりがちなシーンを彩るセンスオブhumorと軽妙な会話劇がチャゼルに備わっていて欲しかった。(脚本も彼のようなので…)
ハリウッドの享楽や栄枯盛衰を描く作品はチャゼル監督には早すぎたのではないかな。jazz一辺倒な優等生じゃないんだぜ?糞尿、薬物、猥雑だってノスタルジーとともにcoolに扱っちゃえるオレ!的な自意識過剰、自己満足感がちらほら見え隠れ、幼すぎるのだ。
不満ばかりを書き連ねましたが、ハリウッドへの憧れと同時にアンチテーゼを描いている稀有な作品であり、3時間飽きなかったし鑑賞後に爪跡を残しているのは確かなのでひっそりと★2.5→★3.0へ点数修正しました。