さと

続·ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画のさとのレビュー・感想・評価

4.2
政府関係者、フェミニスト、ユダヤ人から陰謀論者まで(笑)各方面から怒られているであろう、全く人にお薦めできないナンセンスコメディの快作です。

栄光ナル国家カザフスタンの時代錯誤(もちろん演出です)を笑う体で、奇妙なアメリカの現実を浮き彫りにする。アポなし特攻するマイケルムーアとは違ったアプローチで見応えあり。ドキュメンタリーと演出、リアルとフェイクの境界線を曖昧にしており考えながら視聴しなければならない。時折挟まれるリアル(ジュリアーニ元NY市長のシーンなど)がおぞましくて笑えない。

陰謀論者が考える邪悪なユダヤ人の扮装をして敬虔なユダヤ人の前に現れるリアルではユダヤ系の役者って…もうカオス。

アメリカの陰謀論者がカザフスタンの陰謀論者を「これは陰謀論だよ」と諭す…このアイロニーが個人的に面白かった。自身の信条には盲目になるけど他人のそれには冷静になれるのね。
さと

さと