NoriO

アンテベラムのNoriOのネタバレレビュー・内容・結末

アンテベラム(2020年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

【総評】
"The past is never dead. It's not even past."という意味深なウィリアム・フォークナーの一説から始まる本作。
導入から頭かき混ぜてくる予感しかしない。この時点でテンション爆上がり。

結論、非常に完成度の高い素晴らしい映画だった。
見事に頭の中をかき混ぜられ、鑑賞後にはおいしいシェイクが出来上がっていた。


ツイスト自体はそこまで珍しいものではないかもしれない。
しかし、俳優たちの演技力、演出、音楽、カメラワークなど様々なスパイスがお互いを引き立てあって、完成度はとても高かったと思う。

特に個人的には、ジャネール・モネイも流石だと思ったけど、ジェナ・マローンを推したい。
この人が作る妖艶で、クレイジーで、華のある悪役のキャラクターがとても好きだ。胸糞は悪いんだけど、はまり役としか思えない。
ジェナ以外の俳優も素晴らしく、画面に入り込むように観てしまう。

加えて、何かしらの緊張感が常にこの映画には漂っている。
プランテーションでは暴力と支配という緊張感、元の生活の世界ではいつ引き戻されるのかという緊張感。
常に緊張感が漂うという事は、それだけ集中を要するという事。
集中すればするほど、このツイストはハマりやすい。

という意味で、しっかりとツイストの導入まで作り込まれた映画だったなと感じた。

【余談】
上院議員たちが所属していたKKKのような団体。
シンボルだけは何回か出ていたけど、何者なのだろう。。。
現実にも人種主義団体や選民思想団体は存在するわけなのだから、ここまでの規模ではないにしても恐ろしさを感じる。。。
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