西東京

とらんぷ譚の西東京のレビュー・感想・評価

とらんぷ譚(1936年製作の映画)
4.3
起承転でぶった切られる爆速の語りは「運」で貫かれる。ご都合主義的な物語は幸運と言い換える。ギトリにとって映画はインチキで製作者はイカサマ師と捉えているのか、楽しいオープニングは物語内でインチキのタネを紹介するのと同じように映画の舞台裏が先行して公開される。
サイレントフィルムにギトリのナレーションがくっついてるというより、ナレーションにサイレントフィルムがついてるような、関係は対等でなく映像より言葉が優位に立っている。それでも先行する言葉に追いつこうと必死に、前のめりに進む映像を取りこぼさないよう見ることが要請され、その拮抗状態は最後まで維持される。早急な楽しさ。
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