愁

ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~の愁のネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

公開が延びたせいか、実話であるためか
公開前の予告や本編映像が通常以上に流れて
劇場で見た時の感動が薄れないか少し心配していたけれど、杞憂だった。

挫折、嫉妬、トラウマ、自分ではどうにもならない状況、誰もが1度は感じたことのある感情と登場人物たちがみな対峙していた。

なんの努力もしていない人が負の感情をあそこまであらわにしたら、ただのかっこ悪い人。だろうけど、
必死に努力して生きてる人たちだからこそ
そのカッコ悪さが肯定されてグッと胸に来る

途中、最終選考をテレビで見守る時の期待や不安、落胆をひとつもこぼさずに細かな表情で西方の心中を魅せた田中圭から目が離せなかったし涙が止まらなかった

シャツを借りに来たシーン
原田の苦しみと西方の苦しみの衝突に
こちらまで苦しくなって涙があふれた

高橋(山田裕貴)のピュアさは完璧で、最後のジャンプシーンには胸が熱くなった

原田や葛西も表舞台の人達かと思いきや、舞台裏での苦しみが、外からは計り知れない辛さが伝わってきた

全てのそれぞれの想いが重なった後のあの金メダルは
実際、今まで見聞きした、
日本やったね!金メダルおめでとう!
とは遥かにかけはなれた重たい重たい、みんなの、誰かのためじゃない、誰かのものじゃない
自分たちで手に入れたそれぞれの金メダルだった。

原田さんの
みんななんだよ みんな
の言葉がそれに重なって
ずっと涙が止まらなかった


オリンピックの話ではない
たぶん、絆の話でもない
ひとりひとりの想いが苦しみながらヒカリを求めて、いつの間にかひとつになった奇跡の物語だったと思う

とにかくタオルがびしょ濡れになるくらい泣いた
ひとりでも多くの人に観てもらいたい映画!

(文章書くの苦手だけど伝わりますように)
愁