愁

哀愁しんでれらの愁のネタバレレビュー・内容・結末

哀愁しんでれら(2021年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

1度目はネタバレなしに、2度目は監督のインタビューを読んでから観た

もっと衝撃を受けるかと思っていたけれど
記憶に残るのは幸せな時間の方

たぶんラストの現実味がなくて
わざとそう作っているのかな?とも思った
こどもたちが綺麗にまとまってかさなりあって
先生たちどこ?みたいな
小春が夢の中でみてるのかなようなファンタジー感
実際には事件を起こしてない(その手前)のように思えて
私の中ではなんだかフワッと終わった
(お父さんの注射の伏線もわかり易すぎたし)

ただそこへ向かう掛け違い
小春の対大悟、ヒカリ、家族、友達、先生への憶測だけで自己完結していく怖さ
幸せになりたい、幸せにしたい、傷つけたくない、嫌われたくない
嫌なことを回避していくことでどんどん悪い方向へむかってしまう怖さ
(あそこまで聞かない、伝えない、相談しないのもなかなかないなと思ったけど)
家族を持ったり親になることで、今まで見えていたものが見えなくなってしまう怖さ
そういうことに気付かされて自分は大丈夫か考えるキッカケになった

あと、個人的にはお父さんと志乃(金沢美穂)の言葉がささる
こどものこと全部分かるわけじゃないし
期待しすぎるから落胆する


ただ、こどもの事を守りたい気持ちで
こどもの話だけを聞いて、見えない学校生活にどこまでかかわっていいのか
その親次第、先生次第で簡単にモンペになる可能性があるのはほんとに怖いし
ものすごく難しいよね
とくに低学年のうちは


すごく自分の実生活にはっと思わされる言葉やシーンも多々あるけれど
小春の始まりから終わりまで限りなくファンタジーにも感じる不思議な感覚に包まれる映画だった

音楽と映像(色)に注目してまた見てみたい
愁