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パーフェクト・ドライバー/成功確率100%の女のsomaddesignのレビュー・感想・評価

4.0
天才的なドライビングテクニックを活かしてワケありの荷物や人を運ぶ「運び屋」のウナ。彼女はある日、八百長で引退した元プロ野球選手と、その息子ソウォンを港まで運ぶという仕事を押し付けられる。しかし、思わぬアクシデントで依頼人不在のまま、ソウォンと300億ウォンが入った貸金庫の鍵を抱えて追われる羽目になり…。

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韓国版「トランスポーター」。
「トランス〜」に似た作品は数あれど、凡百の類似品からは大きく抜け出た面白さ。
女性ドライバーを男勝りに描くんじゃなくて、ドライビングテクニックで対等以上に戦える存在に描いてるのがいい。(車の性能が同じなら性別関係なく純粋に運転技術の勝負っちゅーか)

ウナことパク・ソダムがとにかく可愛く頼もしい。
無愛想な少女にも見えるし、母性と強さを持った大人の女性にも見える。
2021年12月に甲状腺乳頭癌のため手術・長期療養を公表していたものの、23年1月に新作映画のプロモーションから復帰。久しぶりに元気な姿が見られて良かった。療養中の不安や、先輩俳優からの優しい言葉など最近のインタビューが感動的だった。

ソウォンを演じたチョン・ヒョンジュンは「パラサイト」で裕福な家の息子ダソン役が記憶に新しい。詐欺のダシに使われてたのが、今作だと庇護の対象に変わったのがじんわり面白い。
幼い少年なのでしょうがないけど、映画全編ずっと泣きっぱなし。泣いてばかりで正直イライラしてしまう。心配や可哀想を通り越して「もう分かったから泣きやめ」。物語を通じて彼自身が今後過酷な現実にも負けない…と思わせてくれるような成長があって欲しかった。


それにしても原題「특송 (特送)」、英題「Special Delivery」に比べて邦題がダセェ。
主軸が運び屋って特殊業務のことじゃなくウナの特性に変わっちゃてるし、運ばれる荷物のことが蔑ろにされてる気分。ウナのプロ意識と人情が合わさってこそのクライマックスなのになあ。あと邦題でググるとネジ回し🪛がいっぱいヒットしちゃうので、そういうトコでも失敗放題だと思う。

※5点中3点満点のジャンル映画にあって、期待を超えて面白かったのでこの評価

7本目
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