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星の子のtottsunのレビュー・感想・評価

星の子(2020年製作の映画)
3.8
「星の子」🎬45
父(永瀬正敏)と母(原田知世)から惜しみない愛情を注がれて育ってきた、中学3年生のちひろ(芦田愛菜)。両親は病弱だった幼少期の彼女の体を海路(高良健吾)と昇子(黒木華)が幹部を務める怪しげな宗教が治してくれたと信じて、深く信仰するようになっていた。ある日、ちひろは新任の教師・南(岡田将生)に心を奪われてしまう。思いを募らせる中、夜の公園で奇妙な儀式をする両親を南に目撃された上に、その心をさらに揺さぶる事件が起きる。
元々作品に興味があったわけではないのだがこの作品の舞台挨拶にて芦田愛菜ちゃんが「信じる」ということについての意見を述べたのをネットニュースで見て一気に作品に興味を持った。
彼女の意見は私の心に突き刺さり感銘を受けたのだ。
そういうわけだから原作を観ていたわけでも公開を楽しみにしていたわけでもない。だけど上映劇場が少ない上、最寄りはあっという間に上映終了予定日が発表されてしまい駆け込み鑑賞になってしまった。
日本にいると日頃から宗教や自分が何を信じているのか深く考えずに過ごしている人の方が多い気がする。私もそんな1人である。だから留学してる時に「あなたは仏教と神道を信仰してるのね。」と言われた私は面食らった。確かに神社もお寺も行くけど自分が信仰してるなんて考えもしなかったのだ。今作はある意味日本らしい作品なのかもしれない。
日本で宗教ってちょっと異質で未知のものなのかも。その人が何を信仰していても面と向かって何かいうわけでは無いが周りから見ると不思議な感覚に見えるのだ。そんな環境に置かれたある家族、中学生の女の子の話である。
今回鑑賞していて少し心苦しくなった。自分も幼少期からひどいアトピーだったりして親や妹からはまーちゃんが放ったようなことをよく言われたりした。でも愛情を受け取れなかった分捻くれた大人になって気づけば10年近く家族とは疎遠である。だからちひろとまーちゃんの気持ち両方よく分かって苦しくなった。
でもそんな一家のおじさん役が母親が好きだった大友康平が演じてるというのは何の因果関係だろうか…
芦田愛菜ちゃんが出ている「博士ちゃん」が好きで割と見てるんだけどサンドウィッチマンとの雰囲気とはまた違う彼女の姿が見れてよかった。南先生とのやり取りや友人のなべちゃんたちとのやり取り。演技は久しぶりに見たけどすごい女優さんだなぁ。って感心してしまった。
エンディングは少し呆気にとられたまま終わってしまってどっちとも受け取れる終わり方にずーっと頭を巡らせている自分がいる。
私的には☆☆☆.8かな。
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