Liaozhaipi

星の子のLiaozhaipiのネタバレレビュー・内容・結末

星の子(2020年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

子供にとって最も生得的な紐帯としてある親との関係性が、それ以外の世界へ踏込もうとすることで揺さぶられていく精神的独立の話、という点ではよくあるものです。
どこの親も、それぞれのやり方で、それが愛かもわからぬまま子供を愛しているはずです。ただ、この家族はそこに新興宗教が入り込んだ形になっていただけ、とも言えます(各家庭、信仰はありますから)。

本作が見事だったのは、外からは異常にうつるその形を、二世である少女の成長から描ききったことですね。
「これってウチだけなの?」が普遍的な問いであり、各人の程度差でしかないとすれば、
また、どの子供にも生じ得る親との紐帯の揺らぎ、新たな紐帯を得る試行錯誤が、成熟の本質、根源的欲求だとすれば、
このような二世の苦悩をどう理解すればよいのでしょうか。
コスパ的価値観の蔓延する中で、人との紐帯を身銭を切って獲得していこうとする困難さをも浮き彫りにしている気がしました。
Liaozhaipi

Liaozhaipi