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星の子のmaiのレビュー・感想・評価

星の子(2020年製作の映画)
3.8
邦画好きな方からおすすめされて鑑賞。
重そうでなかなか観れなかったがおすすめされなかったら観なかったかも。
でも観てよかったと思える考えさせられる映画体験だった。

この映画は信じる、について考えさせられる映画であると同時に思春期の揺らぎ、幼さ(親への依存、親を盲目的に信じる)から大人になる(世間を知り、経験しながら自分を確立する)が絶妙に表現されていた。
この揺らぎの表現は芦田愛菜ちゃんだからこそ、ここまで刺さったのかも、と思わされた。

個人的に想起されさた作品
イ・チャンドン監督のシークレットサンシャイン
村田沙耶香さんの小説、信仰
ドラマ鈴木先生
茨木のり子 よりかからず
ライムスター The Choice Is Yours


安心感は「信じる」という依存的な要素から成り立つ。
生きることは、すでに「いつか」の死が確定していることであり、
リスクは常にあるが
不確定要素を意識していては計画も立てられず、不安にかられて夜もおちおち寝れないだろう。
だからひとは「信じる」という方法を選ぶ。
だから信じる、という依存行動は意外にも誰しにも身近なものなのだ。

親の価値観、常識やルールなどを盲目的に信じるのは本来経験値が少ない子供のすることであるが
経験したり考えたり疑問を持ったりすること、また自分の考えたことで価値観を構築し、それを持って決断することは負荷がかかることも事実だ。

考えは揺らぎ、常に変容が要求されさる。
知れば知るほど物事は多面的で世界は複雑だからだ。

だからひとは宗教や占い、学問などに依存し
決断を他者に委ねてきたし
私自身もたまに疲れてしまうから理解はできる。

私にはちひろもちひろの両親も幼くみえ、
あの数学教師も幼くみえた。

唯一大人にみえたのは親友のなべちゃんだけだった。
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