mai

ある男のmaiのネタバレレビュー・内容・結末

ある男(2022年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

20240525追記
別の話題から何色でもない花、宇多田ヒカルの曲について話している友人が居て歌詞が気になりみてみたら、正にこの曲はこの映画の曲にピッタリだと思わされるし、同時に何色でもない花は現象学的だと感じた。
フッサールは
「認識はそれがどのように形成されていようと、一個の心的体験であり、したがって認識する主観の認識である」と言っていて
つまりは人間は主観から抜け出すことは出来ず、本当の意味で物事を客観視することは出来ないと言っている。現実として自分や他人の心象風景の寄せ集めである経験でしか物事は見れない。

存在自体は幻のものかもしれない(存在を本当の意味で証明できない!)
結局、誰かの存在や輪郭は
他者と関わり、その心象風景のカケラを集めて見えているものだから、
その存在を真実とするかは他者との関わり方を増やして心象風景のカケラを誠実に増やしていくことしか出来ないんだよな、と思ったりした。

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過去や職業や役割などのカテゴリーでひとをみるひとと
目の前にいるひとをみるひと。

名前なんかでは括れない
そのひとの輪郭、自分自身の輪郭。

いろんなことを考えた。

役者さんが兎に角良かった。
柄本さんの怪演が印象的だった。
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