みなと

ジョゼと虎と魚たちのみなとのレビュー・感想・評価

ジョゼと虎と魚たち(2020年製作の映画)
4.0
東京国際映画祭2020にて鑑賞。
原作未読。
夢を追う若者たちの瑞々しい青春と恋物語。
丁寧な作画と優しい色使い、繊細な心情表現をキャラクターの目だったり表情で巧みに表現し、心情に重なる音楽とアニメーションならではの演出でよりドラマチックに描いおり、制作者のこだわりを感じる素敵なお話と作品だった。原作は大分昔の作品だが、普遍的なお話で老若男女受け入れられる作品かと思う。
どの程度、原作に準拠し台詞も原作のままなのか不明だが、台詞の言葉の表現が良いなと思った。特にクライマックス。刺さった。何というか、小説が原作なんだなとしみじみ感じた言葉のセンス。
主演の2人は、俳優さんで大丈夫?と失礼ながら心配していたのだが、想像以上に良く違和感なく最後まで没入できた。
中川大志くんの声、良いし聞きやすかった。
お気に入りのシーンは海辺のシーンと、最後の、ジョゼと初めて会うシーンをリフレインしている所。最初と最後で2人の関係性が変化している演出と2人の距離感が凄く良かった。
隼人役の興津さん、凄く良かった。お調子者系のキャラなのだが、時折みせるシリアスな顔とのギャップと、その差の演技が巧みで、興津さんの芝居大好きだと再認識。特に不器用だな、という台詞の芝居とシーンが好き。
公開したらまた劇場へ観に行きたい作品であった。
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