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さよならテレビのnatsumeのレビュー・感想・評価

さよならテレビ(2019年製作の映画)
4.2
劇場公開を楽しみにしてた「さよならテレビ」、ポレポレ東中野にて鑑賞。いやぁー話題になったのわかる。挑発的。「ドキュメンタリーの東海テレビ」が諸刃の剣で斬りかかってきた感じある。

某国営放送でドキュメンタリー番組のディレクターやってた亡き父に見せたかったなぁ。どんな感想が聞けたろう。

‪私はわりとドキュメンタリーが好きで、見ない人に比べたら結構見てる方だと思うんだけど、自分的に「あれは」と思ったのは3箇所だけだった。プロのゲスさは流石だ。プロというものはしかし、とことんゲスいものではないのか、とも思う。

メディアリテラシーの問題やSNS炎上、多様性の時代におけるテレビなどマスメディアの在り方などについては、正直世の中で語り尽くされている感もあるし、今さらではあるのだが、「仕事を巡る葛藤」の生々しさは、メディア業界で生きている人でなくても共感できるのではないか。

どんな仕事だって、エンドユーザーに対して何かを届けて喜んで欲しいという人の思いがあって成り立っていると思うんだけど、でも「思い」だけでは金は動かず食っても行けない。ものを作り続けて行くこともできない。

そんな中でみんな何かを選び取り、何かを捨てながら働いている。それはテレビ業界に限らない話で。

「綺麗事じゃねぇんだよな」と心の中で深く頷きながら席を立った。明日の仕事始め、自分はどんな覚悟で迎えようかと考えながらレビュー書いてる。もう一度見るつもりで前売り二枚買ったの正解だった。良作。
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