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屋根裏のラジャーのnatsumeのレビュー・感想・評価

屋根裏のラジャー(2023年製作の映画)
3.0
試写会で一回みてたんですが、劇場で見たくて再見。初見でも開始10分で泣いてしまったのですが、今回も開始10分でやっぱり泣いてしまった。手書きアニメの美しさが堪能できる冒頭部の映像だけでも心が震えます。

安藤サクラとイッセー尾形の吹き替えは正直ちょっと浮いてるのですが、子役出身の主演声優2人の演技がよいので全体としてはマル。原作本読むとわかりますが、アニオリ設定部分がすごく適切で、そこも良いです。

子どもが「自分のための物語だ」と感じられて、安心できるような物語を丁寧に紡いで手渡そうという制作者の意志が感じられて、それもよかった。今年は老いた巨匠が作家性を剥き出しにして観客を置き去りにする大作アニメ映画見たばっかりなので、余計にその姿勢にグッときました。あれはあれで、大人向けとしてはいいんですが。

ポスタービジュアルが若干ダサいせいか、イマイチ動員できてないらしく(実際の本編の作画はもっといいです)、もったいないです。悪役がわりとガチで怖いですが、小学生ぐらいなら大丈夫だと思うので、そのへんの年齢から見てほしいです。

大人が泣けるかどうかっていうのは結果であって目的じゃないので、やはりメインは今いろんな理由があって子どもなりにがんばってる子どもたちに見せてあげたいな、と思いました。子どもを子どもとして、しっかりと抱きしめてる映画。ポノックはこういう路線を大切にして欲しいと思いました。そういう期待コミのスコアですが、とにかく二次元アニメの美しさ素晴らしいので、それだけでも見てほしいです…
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