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さよならテレビのnaocoのレビュー・感想・評価

さよならテレビ(2019年製作の映画)
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タイトル勝ち感はあったけどまあ面白かった。この映画が問うているのは作り手の姿勢以上に、観る側のリテラシーなのかもしれない。

途中から編集の“嘘”ともとれる部分や演出ががったところ、インタビューや編集の論点ずらしが気になって、これはどう決着させるのかと思っていたら、最後のあの展開とエンドクレジットとはね。(最後で大逆転系の映画って流行ってんですかね)
いろいろバレてるのがわかった上で作ってたのか観客を試す意図が明確にあったのか。

監督の圡方さんはなんだか「無」にみえる人でそれが取材者としてはプラスになる部分も多いのかもしれないけれど、今回のような内部告発的な内容となるとそれが仇になっている印象もある。結局、本来狙っていた主題にいまひとつ肉薄できていないというか。
その点、韓国映画「共犯者たち」のほうがよっぽど腹くくれてるし誠実だし、うまくできていた。

また「視聴率絶対悪」に見えるつくりには異議を申し立てたい。本末転倒になっている部分がかなりあるとはいえ、現在のテレビ業界のなかでやはり視聴率をとっていくというのは大事。それは“いいもの”を作れば作るほど大事。

そして「セシウムさん」が何らかの意見や表現のようにもとれる部分にも、おい大丈夫か、と思った。意図したものだとしたら事故の反省が全くないし、そうでなかったら結局何もアップデートされていないのではないか。
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