何故か気になって公開時ミニシアターに足を運ぼうかとも考えた今作品。
思いがけず出会えてラッキーだった。
ジャケから既に伝わる圧倒的な映像美は全く裏切られることなく、切々と問いかけられる “此処で生きる“と言うこと、、、
世界には想像もつかない様々な生で溢れてる。こう言った作品を観ると地球の広さ、そして人間の逞しさをしみじみ感じる。
当たり前のように生きて、ともすれば生きている事ですら忘れる程の幸せな環境にただ身を委ねている自分自身と比較にもならない。
大自然の変化に耳を傾け、勿論生活の糧である蜂たちを慈しみ、自分よがりな欲を捨て共存する気持ちが尊く崇高でもある。豊かさだけが幸せでは無い事がよく分かる。寄り添い生きる自然養蜂家の娘と85歳の寝たきりの母。その絆にグッとくると共に、とてもドキュメンタリーとは思えないドラマ性には感情が揺さぶられる。
以前、虫達の集合体は苦手だし恐怖にも感じるとレビューした事があるけれど、今作での蜂たちは、全く違う。
可愛らしいフォルムと生命力感じる羽音は耳障りよりむしろ心地好さを感じる。それは鑑賞後もブーンブーンと暫く頭の中に残ってる。
とてつもなく美しく、途方なく孤独でもあるあの地で、きっとこれからも続くであろう“生きるという事”。その覚悟を感じる主人公の横顔に密かにエールを送りたい。
素晴らしい作品だった。
