既成事実を作っちまえ。
「根矢涼香、映画監督になる。」
2019年 企画・製作:blowout/ORANGE
@UPLINK京都
日本では「フランシス・ハ」みたいなズタボロ映画に爽快さを持たせることが難しいと思ってたけど、僕が間違っていた。
大学の映画サークルを経て業界入って助監督やってるけど怒られてばかりの根矢涼香(女優の根矢涼香さんが同名別人役)。そもそもサークルでも、顔面偏差値も女子力も高いるりに実力で完全に負けていた。
恋もままならず、唯一と言っていい救いの存在は同じく監督目指してる先輩里美だったけど、先輩は事情で実家に帰ることに…
で、なんやかんやあって腹を括るんですが、覚悟の決め方が気に入った!
いつまでも夢だ夢だなんて言ってないで、その夢を叶えるのは今夜だ、走れ!
既成事実を作ってしまう手段は中間管理職の秘奥義だと思ってたから、このタイトル回収は実に気持ちよかった!
主要人物4人についてよく掘り下げて考えられてるし、サブキャラの皆さんも全員よい。感情の起伏や、ちょっとだけ見せてくれるその後の4人の姿も過不足なく、よく31分で綺麗にまとめたものだと握りしめたこの両の拳、見えますか?
長編で見てみたい気もしたけど、語り過ぎない方がいいのだと思う。脚本と編集も手掛けてる上村奈帆監督、センス抜群だ。
好きをゆずるな
人生をごまかすな
不器用な私で、中途半端な私で生きていく
最近の自分は、あんな気合の入った表情で仕事してただろうか。
映画にテーマ曲はいらないジェリー・ゴールドスミスの派閥だけど、Hump Back「生きて行く」めっちゃよかったのでアルバム買います。
あ、来場特典のちっちゃいステッカーかわいかった!