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プロミシング・ヤング・ウーマンのpopcornのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

ラストの展開にスカッとしたみたいなレビューの方もチラホラいて、パッと見はそう思わないこともないのだけど。。

死体損壊教唆の奴は(この後は知らないけど)逃げているし、主犯の奴も(恐らく本心から)過去の事件について後悔もしていないし、キャシーを殺したことについても大して何も思っていない(殺した朝に自分の結婚式のこと考えてる訳で)。また、少なくとも殺人については正当防衛も成立し得る(∵キャシーはメスを持っている一方、自分は依然片手は手錠で繋がれていて逃げられず、助けを呼んでも誰も来ないという情況なので、防衛の必要性も防衛行為の相当性もありそう)ので、刑事罰もたかが知れているのでは。

恋人関係だった奴も結局他の奴らと同じ属性ということだったが制裁を受けたのかもハッキリしないし、父親ですら(悪気なく)キャシーを理解していなかったことも描かれる。

男性だけを悪様に描かなかったことは良いかなと思うけど、女性陣も特に改心したとかいう描写はない。単に"サイコに絡まれて/脅されて怖かった"と感じているだけにしか見えない。

物語上コイツらのためにキャシーが命を落とす必然性も必要性もあるようには見えなかったし、キャシーが自分の命と引き換えに何を得たのかが分からない。孤軍奮闘して辛うじて一矢報いました、というぐらいで全く釣り合ってない。
本当に"過去の事件から時が止まったままの女性が、苦悩の末に精神に異常を来し、復讐のために不必要に命を投げ打った"ようにも見えてしまって、かなり絶望的な気持ちになった。

この結末で本当にOKなのか?
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