そーる

プロミシング・ヤング・ウーマンのそーるのネタバレレビュー・内容・結末

3.3

このレビューはネタバレを含みます

かなり期待していただけに正直がっかりでした。

ところどころ良いところもあったんですけど、
やはり展開が読めすぎます。
事件によって親友を失った主人公の視点から描かれているので、世界が偏って見える(ような演出がされている)のも仕方ないのですが
いかんせん偏りすぎていて何一つ共感できません。
作品の節々に男の暴力性と性への短絡性を描き、それが社会を作っているので若い女性は抑圧されています、というような思想を感じます。
言いたいことはわかるのですが、
例えば交差点の真ん中で車を停めていて、後続車が起こるシーンなんかでも、わざわざ『くそ女』というようなセリフを男性に言わせることでそのような暴力性を描いてますが、
そもそも停めていたのが男だろうが女だろうが、それを咎めるのが男だろうが女だろうが、
交差点の真ん中に車を停めていたら邪魔だと怒られて当たり前です。
なのにそのあと、バールのようなものでテールランプを割ったりフロントガラスを割ったり。
もう無茶苦茶です。

このような、明らか主人公がやりすぎなシーンに対して誰かが『やりすぎだ』という場面でも、
上述したような男の暴力性と性への短絡性を随所に散りばめてるので、偏りが酷すぎて見るに堪えません。

もちろん、じゃあ友達にした行為は?
それで傷つき、彼女は命を落としたが傷付けた奴らは成功していることへの怒りは?となります。
もちろんここは正しいです。
本作は異様なまでの親友ニーナへの執着(本編ラストで主人公本人が明らかにしてます)を持つ主人公による復讐なのですから。
ただ描き方に本当に偏りがあるので、
何も共感できなかったというのが正直なところ。

美術や色味、スタイリングはとても可愛いしそれだけでも楽しめるだけに残念です。

更に良い感じになったライアンが実はあの夜あの場にいたうちの1人(傍観者)だった、というのも最初から分かりきってます。
なぜかというと、登場する男性全てをここまで偏って描いているからです。

もちろん、精神的な疾患を抱えている設定なので分かるのですが、それにしてもな作品だと思いました。
そーる

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