認知症を患うハビエル・バルデムの“長すぎる一日”を、ニューヨーク、メキシコ、ギリシャをシームレスに行き来しながら、現実と幻想を越えて描き出す。次々と記憶が失われていき、人生の最期に残されるものは“後悔”であり、最期に必要なものはそれに対する“許し”なのかもしれない。
現実と幻想をたゆたいながら生きる父ハビエル・バルデムを介護するのではなく、必死に支えながら理解しようとするエル・ファニングが切なくもあり神々しいほど頼もしかった。そして、父にとっての“許し”が、娘にとって“救い”になる瞬間がとても美しい。