この間、たまたまネカフェ行った時に。なんやかんや“〜Final”で満足できてしまった自分もいたのだけれど、一応今作以外は(劇場で)シリーズを追ってきた身ではあるので、こちらも観ておくのが筋かな、と。
シリーズ中幾度も仄めかされていた十字傷の謎にスポットが当たった本作。確かに観てみると、幕末の歴史の流れに抜刀斎がいたかもという実在感は確かにあった。リアルタイムで『龍馬伝』を観ていた身からすると、以蔵=剣心という変換も容易にできるし、ある程度知識もあるので、なお楽しい。
が、やはり一本の映画としての作りに弱さを感じてしまった自分がいる。この作品を持ってシリーズの円環構造を作ろうとした製作陣の考えは理解できるのだけれど、なら“〜Final”であんなに回想シーンを盛り込まないで欲しかった。さらにいえば、前作の感想でもちらっと書いたけれど、“バーフバリ方式”で前作の剣心の告白〜今作の中盤までが追憶編、今作の終盤で縁との決着という作りの方が、個人的に良かった気もするし、それを期待していた。
ただ、今作の画面の色味が、全編に纏う悲哀を印象付ける演出にかっているし、冒頭からかなり陰惨なテイストになっているのも個人的には好みの作風であるから、そこはどうしたって嫌いになれない。
ひとまず、9年かけてほぼ全作をやり切った大友組、そして今シリーズでトップクラスのアクション俳優としての地位を手に入れた佐藤健という役者に、改めてお疲れ様という言葉を送りたい。