このレビューはネタバレを含みます
年末に、とんでもない力作が出てきてしまったな。予告からでは全く伝わらなかったけど、明らかに今作られるべくして出来た反戦映画だった。
トットちゃん、もとい黒柳さんのやっと出来たトモエ学園での日常の彩りが、戦時下が近づくによって奪われ、当然ながら画面のトーンも暗くなっていく。
一番目を見張るのは、やはり葬儀場の教会からの一連のシーン。一番の友人の死という現実から走り去ろうとも、目の前にはこれから戦地へ赴く者たちが。
子供たちは兵隊ごっこで遊び、死が日常化してしまう恐怖を表した、象徴的にして震えたシークエンスだった。
観る前はノーマークでも、やはり人々の絶賛を目にして観に行こうと思い立って良かった。確実に今年のダークホースでベスト候補。