ばきちゃん

るろうに剣心 最終章 The Beginningのばきちゃんのレビュー・感想・評価

4.0
切ない!切なすぎる。胸が騒いで、ズーンと重くなって、いつまでも剣心と巴の面影が頭から消えてくれない。人斬り抜刀斎誕生から刀を置くまでの物語だが、剣心と巴のラブストーリーがメインで、多くを語らない静謐な二人の佇まいが美しすぎてため息が出てしまう。平和のための闘いはあるのか?大義のためなら小さな幸せは奪われても仕方ないのか?あなたも犠牲者ではないのか?巴が発する問いは、現代社会にも通じる究極の命題だよなぁ。倒幕派も佐幕派もどちらも自分が正義と信じて闘うし、追求してる理想と幸せの形もそれぞれなのだと、改めて思わされ、それもまた切なさを増幅させる。
今回は幕末が舞台なので、高杉晋作とか桂小五郎とか幕末の志士とともに、新撰組も登場する。沖田総司と抜刀斎が剣を交える場面もある。他のドラマの中での沖田総司は大概きちんとした身なりの美青年だが、今回の村上虹郎の容姿は結構ワイルド。髪もバサバサ、ダンダラ模様の隊服も丈の長い薄い重ね着風でだいぶこれまでのイメージと違う。拷問の場面や、池田屋騒動の場面もこれまで観た中で一番血生臭い。が、だからこそ、信念を貫く厳しさが迫ってくるシーンになってる。
毎回、抜刀斎が剣を振るうシーンは、背景が美しく、だからこそ、哀しさが際立つなぁとしみじみ思った。
しばらく余韻でドキドキしそうなくらい、
私にはどハマりの物悲しい愛の物語で貫かれていて、とても良かった。
ただ、ひとつこればどうかな?と思ったのは、巴の日記が饒舌すぎたかも?ということ。でもこれは私たち鑑賞するものへのサービスかな?と思えば、ありがたいと言える。
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