これは大分前からクリップしてあった作品で、山本周五郎原作の短編時代小説を黒澤明監督が脚本を残してお亡くなりになってしまったので、残された資料などを基に関係者の方々で仕上げたというもの。
何を隠そうこの作品には、今「侍タイムスリッパー」で日本中の映画ファン、時代劇ファンを沸かせている山口馬木也さんが出演しているそうなので、このタイミングで観てみようと思ったというわけ。
原作を読んだ時もいい話だなぁと思ったのだけど、映画も原作に忠実に作られているのはもちろん、さすが黒澤さんの関係者の方々で作られただけあって、画がすっごくきれい!日本の風景がとてもきれいに撮影されていてそれだけでも見る価値があるし、心がスカッとします。
で、お話は、腕は立つけどその心根の優しさゆえになかなか仕官先が見つからない貧乏浪人三沢伊兵衛とその妻が大雨で川を渡れず、安宿に数泊することになる。そんなときに、若い侍の喧嘩の仲裁に入った伊兵衛の剣の腕が藩主の目に留まり…というお話。
寺尾聡の不器用そうな侍もとてもいいんだけど、その奥方の宮崎美子さんがとっても素敵!控えめながらも一本芯の通った奥様で、夫の良さを最もよくわかっているというこれぞ良妻!偉そうな侍に物申すところがとてもかっこいい。
ラストのこれから待っている未来を感じさせつつ、言わなくてもわかりますよね…で終わるところがまた粋だなぁと思いました。
山口さんは途中の御前試合のところで登場しますが、お若く、腕とかまだ細い感じでしたが、シュッとした男前で、素敵でした。