互いに夢がある夫婦、急に社会的立場が逆転した世界に旦那が飛ばされてしまう話。
冒頭のオープニング数分で、出会いから結婚倦怠期まで10年を見事に描き、既に映画1本観たかのような濃密な出だし。
ただ全体の展開は異世界もので割とよくあるというか、どこかで観たようなあるあるパターンですすむので、オシャレな凡庸フランス映画といった印象でずっと進むのだが、この映画の肝はラスト。
想像していなかったラストだったので、驚いてしまった。ラスト10分、これこそがこの映画を高評価に導く最大のポイントだろう。驚きと共に、美しいエンディングに切なくなってしまった。主人公が本当の事実に向きあうということ、余韻もひとしおだろう。
MVPは友人のフェリックス。フェリックスでもう1本映画作ってほしいくらい、最高に面白いイカしたサブキャラだった。