菩薩

生きちゃったの菩薩のレビュー・感想・評価

生きちゃった(2020年製作の映画)
3.0
『生きちゃった』を観ちゃった俺だっちゃと言いたいが為に観たようなところがある(割とマジ)、誰かうるせぇやつだと叱って欲しい。毎年夏の目標を「誰かとパピコを半分こする」に定めているマンなのでファーストカットでニンマリしてしまったし、毎朝電車で一緒になる男2・女1の高校生3人組と重ね合わせ、どうか彼等の行く末は明るいものであってくれと願わずにはいられない。庭付き一戸建てに大きな犬を飼い年に一度は家族で海外旅行いく小坂明子型の理想に殺される人は年間何万人といるわけだし、男二人に比べ全てを背負わされた大島優子はだいぶ一人でこの映画を支えたと思うが、演者の気合いを載せるには随分とシナリオが脆弱過ぎると思うし、半年後、また半年後へと飛び飛びになるストーリーが更にそれを散漫とさせている気がしてならない。ラスト10分、いきなりグイグイっと上がるギアにまんまと乗せられれば響くものもあろうが、個人的には今年度予告編で全部やっちゃってる映画大賞を授与してこの映画は終わった。ただ満島ひかりと離婚して以降、基本的に「世の中はクソ」なスタンスの作品を連発している石井裕也をこれからも追いかけたいと思うし、いやあなた再婚してお子様も産まれてお幸せそうじゃないですかと全力でツッコミを入れたい気分である。やはり1998年の時点で言いたいことも言えないこんな世の中じゃポイズンであると歌った反町隆史は偉大、それに尽きる。
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