虫の造形がジャケットのそれとはだいぶ違っていて、一体なんのためのジャケットなのだ。
さすがにこれをネタバレとは言わんと思うが、ある朝突然虫になってしまった青年と、その家族の物語。ちなみに自分がなんとなくイメージしてたのと違って、主人公=虫がかなり小さかった。この4倍くらいのイメージ。
理由もなく突然虫になってしまった青年と、唯一の稼ぎ手が虫になってしまった家族。昔々に原作は読んだけど、妹がめっちゃ献身的なのと、両親が冷たい記憶しかない。
主人公ザムザより、献身的だった妹の翻身に注目しちゃう。自分の居場所を求めているような。こんなクソみたいな世の中で、人間が人間足りうる根拠ってなんだろう。誰でも朝起きたら虫になりえると、100年前に小説にしていた変態カフカ。どこにでも“リンゴ”は落ちていて、自分も投げたり投げられたりしているんじゃなかろうか。
原作に忠実に作ろうとするとコメディにしたほうがしっくりくるのかもな…という発見もあり、巷間いわれてるほどにひどくもないと思うよ。