矢吹健を称える会

大空の闘士の矢吹健を称える会のレビュー・感想・評価

大空の闘士(1933年製作の映画)
3.6
 郵便を死守するべく、飛行機が落ち人が次々死ぬ。恐ろしい世界観である。「一日くらい遅れたっていいだろ」と登場人物が言っていたが、まったく同感なので、眼前の光景が異常な世界に見えた。特に主人公は完全に頭がおかしく、ラストの展開なんて「そういうリスキーなことするから、結果としては配達が遅延してるじゃん」と思っちゃったが、まあそういう、どうかしている仕事人の映画である。

 ラルフ・ベラミー含め、演者たちの生々しい存在感が素晴らしくて、この(1932年)時期にもうこんなごろっとした芝居が成立していることに感動する。個人的に刺さったのはリリアン・ボンドのクローズアップで、馬鹿みたいな役だが真正面からのショットが官能的で素晴らしい。

 シネマヴェーラで観賞したのだが、なぜか途中で画面右下に「AMC」というロゴが表示されるのに困惑。調べたら映画配給会社?らしい。