紫亭京太郎

三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実の紫亭京太郎のレビュー・感想・評価

4.0
バブル崩壊やリーマンショックの経験に昨今のコロナ禍と、当時の誰もが予想だにしなかったであろう現在から俯瞰すれば、討論会と言う名の単なる“コトバ遊び”に見えてしまう。まだ薄く学生運動の残り香があった自分の大学生の頃、どうでもいい事で議論ともつかない“うだ話”を、一杯やりながら延々と続けていたことを懐かしく思い出してこっ恥ずかしくなったり。
討論会の中で何が面白かったって、三島由紀夫と全共闘とは、根幹の部分で「反米愛国」で相通じるということ!自分の中ではパラダイスシフトを起こす程の驚きであり、目から鱗な気づきだった。
そして全共闘の中心メンバーに、「楯の会」への入会を誘う三島のスタンス。彼の公明正大なバランス感覚に感動した。
今のご時世にあってこの討論会を見ていると、実は世の中は恐ろしい程平和だったのではないかと思えてくる。
三島の早世は本当に残念なことと改めて思い知らされる快作ドキュメンタリー!
紫亭京太郎

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