大大

三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実の大大のレビュー・感想・評価

3.8
学費の値下げや大学施設運営権を要求し、権力に抗う東大全共闘が、真反対の思想であると見ていた三島由紀夫に、東大900番教室での討論会を申し出る。

私兵部隊を組織し、自衛隊での訓練も行っていた三島は、天皇崇拝を中心とする日本文化や伝統、日本人としてのプライドの復活を目指していた。

全共闘に挑発的な言葉で説得を試みながら、辛抱強く学生の質問に答弁していくドキュメンタリー。



(以下ネタバレ気味)



自らの理想を実現する組織を、なるべく永く持続させることが大切であると説く三島に対し、
演劇人の芥は、全共闘は東大キャンパスを占拠し、国家権力から独立した解放区を爆誕させたが、そういった活動に、持続性は重要でないと説き、対立する。

議論が進むにつれ、全共闘も三島も、国民の主体性を認めない日本国家こそが共通敵であるということを見出す。

しかし三島は、全共闘は天皇の重要性を理解していないという点で、共闘することはできないと諭す。

全共闘は、三島と手を組めるのであれば、天皇の要素を活動に加えてもよいと歩み寄りを見せたところで議論は終了する。

三島は、暴力ではない、言葉の持つ影響力を確信して、東大を去っていく。
大大

大大