メザシのユージ

パピチャ 未来へのランウェイのメザシのユージのレビュー・感想・評価

3.5
1990年代のアルジェリア。世界中の女性の服を作るデザイナーになるのを夢見ている大学生のネジュマ(リナ・クードリ)だったが、イスラム原理主義によるテロが勃発し、街のいたるところにヒジャブの着用を強制するポスターが貼られるようになる。ある事件に遭遇したのを機にファッションショーを開こうと決意。自分をはじめとする女性の自由と未来を懸けて動き出すが、次々と障害が立ちはだかる。
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1991年に始まったアルジェリア内戦時代、“暗黒の10年”を舞台にして当時横行していた女性弾圧を描く。

ネジュマは女性の開放をファッションショーに重ねるのだが、女性が自由でいることはイスラムの教えに反すると考える男たち、そしてその考えに同調する女の人たちもいて、今アルジェリアが抱える問題の何か一つが改善されれば全てが上手くいくといった単純なものではない。

ではどうすれば良いのか?それは女性も平等に教育を受ける事ができて、仕事について経済的に自立してる人を増やすしかない。アルジェリアの女性が男に頼らずとも、自由に生きていけるよくになるにはそれしかないと思った。

女性が開放されることについて大切なことは、やはり教育だと思います。教養を身につけること。大学に行く女性が増えていけば、彼女たちは経済的自立を勝ち得ます。経済的自立がようやくできたところで、本当の意味での自立が女性にも可能になるわけです。

大学教授が授業の中で言う「今のアルジェリアとは違う社会を示したい」は監督自身の思いでもあるのだろう。