ジャン黒糖

マリグナント 狂暴な悪夢のジャン黒糖のレビュー・感想・評価

マリグナント 狂暴な悪夢(2021年製作の映画)
3.7
『ソウ』『インシディアス』『悪霊館』などで知られるジェームズ・ワン監督作!
昨年の映画秘宝ベスト1にも選ばれた本作だけど、いやーかなりぶっ飛んだ映画!
観終わってみると、映画のポスターすらもうネタバレ入ってますよね。タイトルのうち何の文字が主人公に伸びているか。いやーすごい。

ジャンルの移り変わり、強引さがすごい!
前半は家のなかで起きる数々の異変から浮かび上がる、見えない者に対するオカルトホラーの印象。
かと思えば、その”見えない者”の正体がわかるとクローネンバーグ映画?!さらにはサスペンス、アクションとジャンル映画を自由に横断する。
また、ジャンルが変わるたびに曲調が変わるのも好ましい。

映画を観慣れている人であれば、犯人が誰なのかという答えそのものはある意味では正解しやすい。
ただ、にもかかわらず、予想通りの答えかと言われればまったくもって斜め上の答えが待っていた!
この、下手に説明セリフではなく場面一瞬ですべてが明らかになるシーンのショッキングさたるや。
こちらが想定していたジャンルではない方向に舵を切っていく強引さ、すげー。

さすがは『ワイルドスピード スカイ・ミッション』で散々おバカアクションをやったと思えば、ラストに亡くなったポール・ウォーカーへの映画史に残る大号泣シーンを追加撮影して挿入させただけある。

それにしても『マリグナント』、なんてやべーアイデアだ、と感心していたら本作で鑑識役としても出演していたイングリット・ベスという女優さん自ら考案したアイデアをジェームズワン監督らが膨らませて作ったのが本作だとか。
しかもこのイングリット・ベスは本作で原案以外に製作総指揮も務めてるほか、何を隠そう、ジェームズワン監督のパートナーだとか!
なんてホラー変態パートナーなんだ!笑

主人公の妹役、マディー・ハッソン良かった~。
こういうハリウッド映画における妹、いいよね。

ジャンル映画の移り変わりを散々楽しませたラストには、「自分が自分自身をちゃんと力強く生きることの大切さ」という普遍的なテーマさえも現出してくる。
うん、これは楽しかった!
ジャン黒糖

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