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マリグナント 狂暴な悪夢のすずきのレビュー・感想・評価

マリグナント 狂暴な悪夢(2021年製作の映画)
3.5
マディソンは妊娠していたが、クズ夫のDVにより頭を強く打ち、寝込んでしまう。
その夜、クズ夫は何者かに殺され、マディソン自身も襲われ、入院先で流産してしまう。
絶望するマディソンのそばに寄り添ったのは、彼女の妹のシドニーだった。
マディソンは、実は自分が養子でシドニーと血の繋がりが無い事を告白する。
退院後も謎の犯人による残虐な殺人事件は続いた。
マディソンはその殺害の様子を、悪夢という形で幻視するようになり…

ジェームズ・ワン監督のサスペンス・ホラー。
室内を舐めるように見渡す、大胆なカメラワークは監督の十八番。
クライマックスには警察署を舞台に派手なアクションも披露し、カメラワークもノリノリの暴走!
流石ホラーもアクションも得意なジェームズ・ワン監督やで!

映画冒頭は謎の研究施設からのスタート。
凄くB級モンスター映画っぽいのはワザと?
中盤、謎の犯人ガブリエルの正体は、マディソンのイマジナリーフレンド(=多重人格)と思わせておいて、切除されたシャム双生児の片割れか、と判明する。
オマージュ元は「バスケットケース」?
だが冒頭のシーンでヒントを与え過ぎてるので、そこらへんは意外な事実でもなく、やや退屈でダレ気味なのが残念。
クライマックス前に、ガブリエルの真の正体にアッと驚くドンデン返しが用意されてるんだろ?と思い、お預けを食らっている気分だ。
冒頭シーンは無くても良かったのでは?

そんなクライマックスまで引っ張ったアッと驚くドンデン返しは、ガブリエルのビジュアル面でのインパクト!
確かに逃走シーンのアクロバティックな背面ジャンプでは奇妙な動きだなぁ、とは思ったけど、そう来たか!
コレってサァ、アレだよね…飛騨高山や呪術廻戦に出てくるヤツ…あと一年戦争の水陸両用MSにもいたヤツ…。
前述のアクションシーンも面白く、クライマックスからスコア加点!

今回は吹替で鑑賞。
声優も大ベテランではないが、実力ある人ばかりで良かった。
だがなんと言うか、演出とかが結構懐かしめの洋画劇場ノリなのは好みが分かれそう。
特にガブリエル、悪魔超人や特撮の怪人みたいなノリで喋るんだよね。ちょっと演技が青野さんっぽいし。
個人的には、その演技演出に凄く親しみを感じるけれど、それってホラーとしては致命的なのでは…?