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ミナリのYOONのネタバレレビュー・内容・結末

ミナリ(2020年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

とてもよかった。何がいい、とは具体的には上手く説明できないけれど。

まず役者陣が最高。デイビッドとアン役の2人が会話に韓国語と英語を織り交ぜて話すシーン、本当に自然だった。ほかにもちょっとした表情や動作、子どもとは思えない演技力で存在感が凄かった。役者陣が素晴らしいので、1ミリの異物感もなく、すんなりと映画の世界に入り込めた。
あと!!これから見る人はぜひ、エンドロールまで見てほしいです。

ここからネタバレ。
今欧米で問題になってるアジアンヘイト、てっきりそうした問題が描かれているのかと思ったらそうでもない。焦点はそこじゃなかった。李家を排除しようとするムードはほぼ無かった。フォーカスは家族内のことや、仕事、あとは宗教に当てられていたように思う。
当初、熱心なクリスチャン・ポール(畑の手伝い人)や魔術(?)で湧き水を探すといった宗教的なことを嘲っていたジェイコブが、最後はそれを受け入れていたのは印象的だった。すがる、というよりは受け入れた という表現が相応しいなと感じる、そんなシーンが印象的だった。

ここからは推測の話。
まず、おばあちゃんがお漏らしをしたシーン。あそこからおばあちゃんの様子がおかしくなるんだけど、その前の晩、いつもはベッドで寝ていたデイビッドがおばあちゃんに抱きしめられて床で眠る。そのとき話していたのが「僕はまだ天国に行きたくない」ってこと、それを聞いておばあちゃんはデイビッドを呼び寄せて抱きしめるんだけど、ベッドの上=天国に1番近い場所 っていう暗喩だったのかなと思った。(デイビッドは心臓の病気を持っていて、おばあちゃんが脳卒中になる前までは1番天国に近い人だった)デイビッドがベッドで眠らなくなってから代わりにベッドで寝ていたのはおばあちゃんだし、ほかの人物がベッドで眠るシーンは出てこなかった。まあ推測だけど。
あとなぜミナリという題名なのか。「ミナリはね、どんな場所でも育つ強い作物なんだ」っておばあちゃんが説明するシーンがあるんだけど、ミナリは李一家を象徴しているのかなと思った。色んなことがあるけれど、強く生きる(生きた)一家をミナリに喩えているように感じた。
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