れーちゃん

ミナリのれーちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

ミナリ(2020年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

アーカンソー州に越してきた韓国人の一家。

子供に何とかいいところを見せようと、トレーラーハウスを購入し、荒れた土地を耕し、畑を作ろうと躍起になる夫、ジェイコブ。
この暮らしに不安と不満を抱えいる妻、モニカ。そんな両親に黙ってついて行く娘、アンと息子、デビット。
デビットには心臓病があり、中々外で遊ばせてもらえない。

ある日家の水が止まったり、生活にも支障がで始めてきた。妻は夫の成功を待っているだけでは生活ができないと判断し、ヒヨコの雄雌の選別仕事を始める。
共働きとなり、子供達のベビーシッターを頼むため、モニカの母で子供達にとっての祖母を家に住まわせることに。
韓国人らしさ満載の祖母に子供達は抵抗を感じ、最初は冷たい態度を取り続けるが、デビットが引き出しを脚に落とし流血した際、すぐさま祖母が対処してくれたことに安心する。
祖母はデビットと心を通わせ、病気のことから死を不安に思ったデビットを抱きしめながら「おばあちゃんが病気から守ってあげる」という。

朝起きると祖母は脳梗塞になっていて、身体に麻痺が残ってしまった。
一方でデビットは心臓の問題が軽くなっていく。

ジェイコブの畑を手伝う使用人の男は、家を訪ねると聖水のようなオイルをあちこちにばら撒く。
例の引き出しがあるタンスの辺りに悪霊がいるとまでいう。ジェイコブはやはり信じない。

モニカは早くカリフォルニアに行こうというが、ジェイコブは野菜が売れそうだとアーカンソーを離れたがらない。
そんな家族がバラバラになろうとしたとき、祖母の不手際で畑と収穫した野菜が火事で燃えて無くなり、最後は祖母が植えたミナリが家族を救うことになる。

韓国の文化が散りばめられた作品だが、ジェイコブの宗教やスピリチュアルに対する信仰心のなさや、誤った判断の積み重ねなどは、全てラストのシーンに繋がっていく。
これはトランプ政権以降、アメリカンドリームを簡単に掴めなくなっている現状を移民の暮らしを通して描いているようにも思えた。

もう少しこのスピリチュアル要素をどこかに活かして欲しかったものだが、そこは私の読み取りが浅かったのか。

随分前に見た映画のレビューを今更投稿。。
れーちゃん

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