『82年生まれ、キム・ジヨン』見た後にこれ見たので、あんまりポジティブには眺められない映画。ここでも女性の思いはくみ取られずに、現実に右往左往して病んでいく。
妻の救いとして登場するキリスト教にしても、彼らの文化的基盤である儒教にしても、その後ろにはガチガチの保守的なジェンダー観が構えているので、なんとも四面楚歌。
アジア的な家父長制度とアメリカ的なマスキュリンティが合わさった中で、ユン・ヨジョン演じる祖母が飄々と存在してるというのがこの映画のミナリたる所以なんだろう。ノスタルジックさのある味付けで、ある種の古き良き情景かもしれない…みたいなことをアピールしてくる映画なのだと思う。(思わんけど。)
スティーブン・ユアンじゃなくて、ハ・ジョンウみたいな人がやったら、もっと泥臭くて色濃い映画になった気がする。それとも、この映画はこのマイルドさが良かったんだろうか。
ユン・ヨジョンはそういった意味で、すごい生々しさを持った人間らしさを体現できる俳優なので、ミナリ(セリ)の根を張る強さごとく、がっつり映画の芯をおさえていて見事だった。