狐のろうそく

MINAMATAーミナマターの狐のろうそくのレビュー・感想・評価

MINAMATAーミナマター(2020年製作の映画)
2.0
タイトルの意味を勘違いしていたな。
MINAMATA。要するにユージンスミスの写真集のタイトルだったのだ。
だからその成り立ちを劇化したということなのではなかろうか。
水俣病そのものを描いたわけではない。
スミス夫妻の伝記とみた方が良い。
(美波さんは好演です)
土本典昭の「水俣 患者さんとその世界」やら「水俣一揆 一生を問う人々」を観ていたのもこの映画に没入できない理由だったかも。(真田広之の役どころなどこの映画監督が土本作品を参考にしているのは明らか)
映画は悪いわけでもないし、基本はヒューマニズムなのだろうけれど、水俣を問うのにそれだけで良いのだろうか。
そしていくらフィクションであっても細部はちゃんとしてほしい。さすがにセルビアモンテネグロの自然は日本とは違うし、建物も外国映画はいつもそうだがやっぱり変。
映画のテーマを支えるのは細部のリアルさだと思うから。
上映がどうなるのか知らないが、原一男の「水俣曼荼羅」を観てスッキリしたい。