ウエンチ25号

あの頃。のウエンチ25号のレビュー・感想・評価

あの頃。(2021年製作の映画)
4.5
俳優陣は阿倍野に本当にいたかのように作品に溶け込んでいた。中でもコズミン仲野はいろいろ暴走する器の小さな人間。だが、不思議と嫌いになれない。それを他のメンバーが突っ込んだり、受け止める。中でも主演の松坂桃李@劔がふんわり受け止める。二人の絶妙の間合いだ。最後の橋の上のシーンはグッとくる。そこでも松坂さんは受け止める。前を向いて今の人生を歩いていく。
カメレオン俳優、いろんな顔を持つ松坂さんだが、この作品では、柔らかなふんわりした、全てを受け止める松坂さんだった。
"好きなもの"がある人は、共感ポイントがたくさんある。私もそうだ。
"好き"にかける時間は楽しくてあっという間に過ぎる。人生もあっという間だ。でも"推す"と共に自分の人生も生きている。"好きなものを応援する"から"自分の人生を生きる"ことに軸足が移る時もやってくる。
でも力一杯"推す"時代を一緒に過ごした仲間は自分の歴史の一部だ。不思議な連帯感がある。
夕焼けに照らされて明日に向かって今日も歩いていく。そんな気持ちに自然になれる作品だ。
11回見たが、もっと見たかった。
ウエンチ25号

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