えちぜん

ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へのえちぜんのレビュー・感想・評価

4.5
以前からムヒカのことは何となく好きで、「癒し系キャラ」のようなイメージを抱いていたけれど、このドキュメンタリーの中では時折鋭い眼光を見せるシーンもあり、実は決して「ぬるいオジサン」なんかではないのだと感じた。

そりゃそうだ。この方、若かりし頃はバリバリの武闘派で死線をくぐり抜け、一国のトップを務めた傑物なわけで、只者であるわけがない。しかし意外と厳しい一面を見たことで、より彼に憧れるようになったよ( ͡° ͜ʖ ͡°)

最後の日本の若者に向けたスピーチは涙ぐんだ。ムヒカは「意外にも若者の方が私の言葉が届く」と語るが、『発展』を正義として生きてきたのはシニアたちで、今の若者は資本主義を「もういいよ」と感じている空気が強い。もう充分に恵まれていることをなんとなくわかっているし、もう疲れたのだ。

私はムヒカが好きだけれど、日本の首相になってもこの国はあまり変わらないかもしれない。人徳で治めるには、日本は大きすぎるから。企業もだが、大きすぎる組織とは、あまり幸福になれないのかもしれない。中にいる人間の理想を超えた大きな流れが生まれ(大概は私欲的なもの)、誰も止められないから。

ムヒカは政治家としてやれることをやったが、挙げられた成果には自身であまり納得できてないようだ。非難してるわけではない。でも彼は「手の届く身の回りの人から幸せにしたいし、それしかできない」という生き方は素敵だ。大なり小なりあれど、皆がそうなれば世界は幸福になれるのに。

彼のようになりたいんだけど、やっぱり「高級時計買いたいな〜』と夢を見るワタスは小さいな…( ̄▽ ̄)『清貧』に憧れる…
えちぜん

えちぜん